6.14.2012

マルベリー収穫

6月14日の朝のマルベリー
(Sweet Mulberry - 西洋の桑の実です)
6月に入ってからほぼ毎朝、マルベリーの収穫を行なっています。
毎年6月は一ヶ月間毎朝の日課となります。
6月中旬のこの時期は、収穫のピークとなります。
マルベリーの果実は淡い緑→赤→黒の順に色が変化していき、黒く熟したら食べ頃です。
黒くなった果実は、生食出来る期間が短いため、躊躇せずどんどん収穫していかないと、すぐに熟し過ぎてしまうのです。
なので、収穫の量が多くても少なくても、とりあえず毎日チェックして、収穫をしています。
 今朝収穫したマルベリー
今年は剪定を思いきりし過ぎた為、収穫量は例年の半分ほどです。
それでも今朝の収穫はザル2杯分有りました。
大きな果実は、手の親指ほどの大きさのものもあります。
果実は大きすぎると大味になって甘みが薄くなる、とよく云われますが、我が家のマルベリーに関しては、一概には云えず、大きくてもとても甘かったり、小さくても酸っぱかったり・・・。
生食で食べる場合、当りハズレは賭けみたいなものです。

収穫量が多い場合は、洗って水気をきってすぐにジャムやソースや果実酒にしています。
収穫量が少ない場合は、生食でそのまま食べるか、搾ってジュースにするか、或いは1~2日分を冷蔵庫に保管して、瓶に詰められる量になってから加工します。
冷蔵庫に生のまま保存出来る日数は長くても3日まで・・・。3日以上は生での保存だと味が落ちてしまうので厳しいと思います。ジャムや果実酒に加工する量が収穫できなくて、ある程度確保出来るまで溜めておきたい場合や、忙しくてすぐに加工が出来ない場合などは、収穫して洗ったらすぐに冷凍保存しておくと、鮮度が保てると思います。

今日は、マルベリーのソースをつくりました。
お砂糖をまぶした状態
マルベリーの量に対して約半分くらいのお砂糖を使います。
(※追記:お砂糖は色々試した結果、私は三温糖が一番美味しく感じました。
マルベリーの淡白な甘さと上手く合い、コクが出ます。)
まず用意した砂糖の半分の量をマルベリーにまぶしてしばらくなじませます。
30分ほど置いてから、コトコトと火にかけ、途中で残りの砂糖も投入します。
マルベリーが煮詰まり、半分くらいの量になったら(約1時間くらい掛かりました)、最後に絞ったレモン汁(この量だと大さじ1~2杯ほど)を入れて出来上がりです。
熱湯消毒した瓶に詰めて保存します。
瓶に詰めたマルベリー
マルベリーはペクチン含有量が少ないためか、煮詰めてもトロミが出てこないので、出来上がったものはマルベリーのエキス100%のマルベリーソース原液として利用しています。
ヨーグルトに掛けたり、炭酸水やお水で割ったりすると、とても美味しいです。
お味ですが、ソースやジャムに加工した場合、ブルーベリーに似ています。
ソースの色は、ワインレッドで、とても美しい色だと思います。
出来上がったマルベリーソース
果実は生のブルーベリーほどの大きさにまで小さくなりました。
ラズベリーのような種は無いので、煮詰めた果実も食べやすいです。(ごく僅かに種がある時もありますが、非常に少ないです。)
ヨーグルトにかけたり、炭酸やお水で薄めると、驚くほど鮮やかな色になります。

ところでこのマルベリー、以前ドイツでは「悪魔の実」と呼ばれていて、子供には食べさせなかったそうです。けれど東洋では、根皮は桑白皮と呼ばれ、利尿、鎮咳、消炎などの目的で漢方に処方されている立派な薬草?薬木なのだそうです。根皮や葉のお茶は、高血圧の予防や咳止め、果実酒は滋養、強壮に飲まれるそうです。(出典:愛読書の、小学館「ハーブ・スパイス館」より)
ドクダミに続いてマルベリーも凄い効能があるんですね。

6月はドクダミの収穫、マルベリーの収穫、そして後半はセント・ジョーンズワートなどなど、収穫ラッシュが続きます。
仕事をしていた時、毎朝早朝マルベリーの収穫をしてから出勤し、帰宅後、夕食の準備と後片付けが終わって夜の10時頃から、ジャムやソースを作っていた時もありました。
当時は、とても慌ただしくて大変だったのを覚えています。
多い時で一日にジャム瓶10本以上の量の収穫をしてから出勤・・・という日もありました。
毎日の収穫作業に嫌気が差した時もありました。
何故こんな大変な思いをしてまで、毎日毎日収穫しなければいけないんだろう?と、自分がマルベリーを植えたことは棚に上げて、収穫を喜ぶどころか、マルベリーのせいにしたり、自分でストレスを作っていた年もありました。
今思えば、自分の生活でこなせる量を超える収穫量だったのだろうと思います。
だた唯一、自分の功労(ジャムなどを友人が美味しいねと言ってくれたこと)だけが、励みになっていたのだと思います。マルベリーという樹木の事を考えてあげられなくて、マルベリーには申し訳なかったなぁ・・と思います。

今年は退職して、午前中は庭仕事に専念出来るようになったので、ゆっくり楽しみながら収穫出来ています。マルベリーと向きあう事自体が楽しみに思えるようになってきました。
また間引きをして収穫量を調整したり、剪定の方法を学んだりと、自分の能力でこなせる感覚も掴めてきました。ささやかながら幸せだなぁ・・・と感謝できる心の余裕も出てきました。
植物・・・マルベリーやドクダミ、お野菜もそうですけれど、薬草茶や食物として体内に取り入れる事が出来るって事は、つまりは自分の身体をつくるモノを提供してくれているってことで、言うなればその植物のおかげで生かされていて・・・極論を言えば私の体も植物も同じものだってこと。
全てがワンネスの感覚。。。そういう感覚が最近目覚めて来つつあります。

まだまだ、いろいろ体験して失敗したり成功したり、その時々の暮らし方から、いろんな事が学べそうです。
2014年のマルベリーはこちら(かなり豊作です)>

6.05.2012

ドクダミの収穫

(※6/14に追記をしました。)
ドクダミの花が咲きだしました。いよいよ収穫の時期です。
北側の庭のドクダミ
東側の前庭、西側の裏庭、そして北側の庭それぞれにドクダミが群生しているのですが、日陰がよく育つとあるとおり、やはり北側の庭のドクダミが一番背丈も長く葉も大きく美しいです。
とりあえず今日はこの北側のドクダミを収穫してみることにしました。

小学館の「ハーブ・スパイス館(ISBN4-09-103393-8)」によりますと、
「開花時期に全草を刈り取り、乾燥保存する。」
「全草を乾燥したものを十薬と称し、解熱、解毒、利尿や湿疹薬に使われる。」
「乾燥するとにおいは消える。」
「乾燥した葉をティーにして飲むと便通を整え、利尿作用があるといわれている。」
とあります。
薬草って、ドクダミもそうですけれど、エキナセアやオレガノ、セルフヒール、セント・ジョーンズワート等、開花時期に収穫すると、薬効を充分に摂れるものって多いですね。

収穫したドクダミ

物干し竿に干しているドクダミ
十本ずつ枝を束ねてみたら54束出来ました。つまり本日の収穫は540本ということです。収穫に1時間半以上、束ねるのに1時間ほど掛かりました。ふうぅ~。
曇り空で風が強い日なので外に干しましたが、早く乾くといいなぁ。。

リビングに干したドクダミ
夕方雨が振りそうだったので、慌ててリビングに取り込みました。
なんだか緑のカフェカーテンみたい!
収穫している時、独特のドクダミの匂いがしたのですが、室内に干していると全く匂いは気にならないですね。
・・・・って、明日はどこか別の場所に干さなきゃ。
家人が帰宅してこの様子をみたら、ビックリするだろうなぁ。

前出の「ハーブ・スパイス館」の利用法のところに、
「乾燥した葉を薬用に。民間では煎じ茶を便秘症、膀胱炎などに用いる。生の葉は、火にあぶって柔らかくして、腫れものの吸い出しに用いる。若葉を高温で揚げて天ぷらにするとにおいが消えておいしい。ベトナム料理では生のまま使う。」
とも書かれていました。

そういえば、子供の頃、足を虫に刺されパンパンに腫れてしまったので(蜂ではなかったと思うけど)、母親が庭のドクダミを揉んでガーゼに付けて、足に貼ってくれた記憶があります。
主人は青年期にニキビが多かったそうで、ドクダミを煎じてはお茶にして飲んだりしたそうです。
でも、腫れものの吸い出しには生の葉を貼ったほうが良いのなら、ニキビには飲むのと同時に、生葉も利用したほうがいいのかも。。。
ならば、前庭と裏庭のドクダミはこのままにして、使う都度に収穫する為に残しておいたほうが良いみたいです。

若葉の天ぷら。。。も、そんなに美味しいのなら、いつか試してみようかなぁと思っています。
においが消えるのなら、大葉みたいな食感なのかしらね。多分。。。
ベトナム料理といえば、生春巻きに香草のコリアンダーが入っていますよね。
あのコリアンダーもかなり強烈な香りですが、ベトナムの方達はドクダミをどのように使うのかしらねぇ・・・。

ドクダミを収穫していたら、お隣さんが「乾燥したら少し頂戴。」とおっしゃっていました。
上手く乾燥出来ますように。

最初ドクダミがどんどん繁殖してきた時、正直チラッと嫌だなぁ・・・と思っていた時もありました。
ドクダミという名前から受ける印象と、独特の臭気から、なんとなく美しいイメージを持てなかったのだろうと思います。
ところが、ご近所さんが庭のドクダミの群生を見て「なんて綺麗なんでしょう。」とおっしゃって下さったり、更にドクダミを茶花風に茶入に入れたり、玄関の花瓶に飾ったりしてみたところ、風情があってとっても美しく見えるのです。
先日遊びに来たお友達が玄関に活けてあるドクダミや、北庭のドクダミの群生を見て、「私も育てたい」と言ったので、数株を掘り起こして差し上げました。(地下茎はミントに比べると、簡単に分けられて掘り起こし易かったです。どこまで繁殖を許容できるかで、鉢植えか地植えか悩むところだと、友人は話していました。)
主人はドクダミ茶を飲むのを楽しみにしているし、薬効もたくさん有りますし、今では有難いなぁと思うようになりました。

(6/14 追記)
乾燥したドクダミ
1週間経過した6月12日、パリパリに乾燥したドクダミをザクザクと切りました。
この状態で湿気ないように乾燥して保存しました。
少し煎じて飲んでみたところ、香りは若干残っているように感じました。
そんなに嫌な風味ではないですが、煎じる前に、フライパンで焙じてから煎じると、香ばしくなって、より飲みやすくなるかもしれません。
義父はこのドクダミの風味が苦手ではないらしく、とても美味しいと言って喜んで飲んでいます。
今は毎朝、一日分のドクダミを煎じて家族皆で飲んでいます。

まだ庭に残っているドクダミは花の咲いている間に、一部は追加でお茶用に乾燥しました。
そして一部は生のままウォッカに漬け込んでチンキも造りました。
このチンキは汗疹(あせも)やニキビの外用薬の原液としました。
使用する時に薄めてパッティングしたり、皮膚にすりこんだりして使おうと思っています。
そして残りの一部は、花の姿が美しいので茶花として見て楽しんでいます。
十薬と称されているとおり、ドクダミには本当にいろいろと助けて貰っています。

6.04.2012

2012年6月の庭

6月に入ると、約1ヶ月間、毎年恒例のマルベリーの収穫に追われます。
2012年6月4日のマルベリー
今年マルベリーはちょっと失敗しました。
昨年強剪定してしまった為、果実が太い枝(というより幹)にかたまって付いてしまったのです。
このマルベリーは本来なら長く垂れる枝の先に果実を着けるのです。
本来なら枝を残したほうが収穫がしやすいのですが、例年長い枝だと果実の重みで枝が地面に着くくらい垂れてしまい見栄えが悪いため、ばっさりと剪定したのです。

しなだれた枝をほとんど落とした為に、今年は果実が幹に着いてしまったのです。
果実が膨らみ始めた後に、枝が勢い良く伸び出してきたので、幹に着いた果実を収穫する時に、枝をかき分けながら行わねばならなくなって、例年よりも収穫が非常にしづらくなってしまったのです。
このことから、マルベリーの選定方法が体験をもって学習できました。
長い枝はばっさり落とさず、何本かしっかりした枝を選んで残すようにしようと思います。
マルベリーは試行錯誤しながら育ててきました。
来年こそは、綺麗な枝ぶりで収穫しやすく仕立てたいなと思います。

そして、後から気づいたこと。
「気」を感じるアンテナを閉じて、樹木の声、植物の声を無視した人間からの視点だけで行動を起こすと、良い結果は得られないってこと。昨年の私はまだまだ「気感」のアンテナ受信が不十分だったってことですね。

その他の6月の植物たちです。
6月は薔薇の美しい月です。
ロサ・ガルカ・オフィキナリス
Rosa gallica officinalis
ロサ・ガリカ・オフィキナリスは、"薬剤師の薔薇"と云われているほど薬効のある薔薇です。
今年この薔薇は今までで一番美しい容姿になりました。
花も葉も全てが美しく感じます。
薔薇の下に咲いているのは、ヒルザキツキミソウです。
ヒルザキツキミソウは一株戴いたものを植えたのですが、今では庭のあちらこちらに広がって、花壇一面に咲いています。

八重のハマナス
庭にはハマナスが4種類あります。
この紅色の花の八重と、白花の一重のハマナス、紅花の一重のハマナス、そして中国のハマナスとも云われている玫瑰(マイカイ)です。玫瑰は薬用植物として漢方の世界では昔から知られ、花びらを乾燥させたお茶は、肌荒れに良いと云われているようです。
ハマナスのローズヒップはとても大きく、直径3cm以上になる場合もあります。
真夏には真っ赤な大きなローズヒップがたくさん出来ます。
生食だと、棗のような味がします。
このハマナスも、今年は虫も全く付かずとても美しく育ってくれています。

一重の白いハマナス

玫瑰(マイカイ)の蕾

薔薇・アンジェラ
今年も綺麗に咲いてくれました。
房状に咲く様はまるでブーケのようです。

ロサ・エグランテリア
(スイート・ブライアー)
スイート・ブライアーは葉の裏から青りんごの香りが漂う薔薇です。雨の日などは側を通るとふわっと林檎の香りがする時があります。花が終わった後には、ローズヒップが膨らみ、晩秋には真っ赤なローズヒップが収穫出来ます。

ハマナスもガリカ・オフィキナリスもスイートブライアーも、ほとんど虫がつかないのですが、アンジェラはアブラムシにやられます。よーく見るとテントウムシの幼虫がアブラムシを食べにきています。

ハニーサックル
ハニーサックルは和名をスイカズラ、または忍冬とも呼ばれているつる性の植物です。
咲き始めは白花ですが、時間が経つにつれ黄色く変色してきます。白花を銀、黄色くなった花を金に例え"金銀花"とも呼ばれていて、いろいろな薬効もあるそうです。
香水のような香りを持ち、横を通る時にふっと香ります。

葉が大変大きく美しいギボウシ

ドクダミもそろそろ収穫しなくちゃ!

6月4日の朝の庭