5.14.2012

Medicinal and poisonous plants (薬草と毒草)

北側の庭では、苧環(オダマキ)の花が咲き出しています。
紫色に見える花がオダマキ。
オダマキの花
葉が出始めた時は、最初何が出てきたのか忘れてしまって、秋明菊だとばかり勘違いしていたのですが、花が咲いてオダマキの花だったと思い出しました。
植えた覚えの無い場所からも出てきたので、勝手に実生で育ったものだと思います。

花は大変美しいので、切って茶花として花入れに入れたりしていますが、オダマキはキンポウゲ科オダマキ属の植物です。
「キンポウゲ科の植物」には毒性の強いものも多く、このオダマキもプロトアネモニンという成分を含有するため、切り口などが皮膚に触れると皮膚炎を起こしたり、誤って食べたりすると胃腸炎や心臓麻痺を起こしたりするそうなので、取り扱いはちょっと注意が必要なのです。

今庭にはドイツスズランも咲いていますし、オモトもあります。
スズランに毒が有るというのは有名で、スズランには「コンバラトキシン」、オモトには「ロデイン」などの成分が含まれていて、共に呼吸障害などを起こしたりする場合があるとか。

毒草といえば、先日樹林気功で訪れた平泉寺には「ミヤマキケマン」が咲いていました。
平泉寺のミヤマキケマン(深山黄華鬘)
「身近な薬草百科(パッチワーク通信社/ISBN4-89396-716-9)」によりますと、ミヤマキケマンはプロトピンという毒性分を含み、酩酊(めいてい)状態、嘔吐、昏睡、呼吸及び心臓麻痺などの症状を起こすそうです。しかも注意書きのところに、「美しい花だが悪臭があり、深く匂いを吸いこむと、吐き気をもよおすことがある。」と有りました。思いっきり匂いを嗅がなくてよかった!

もう一つ。
テンナンショウ
同じ日に勝山の岩屋の大杉で撮影したものです。このテンナンショウも毒性が強く、果実を誤って食べて口内や口舌が痺れたり、胃腸障害を起こしたりする例が多くあるそうです。
前出の「身近な薬草百科」にも「毒のある植物に気をつけよう」の箇所に記されていました。

で、この「身近な薬草百科」はタイトルのごとく薬草の本なのです。
なので、毒草とあっても、同じ植物なのに、毒性成分と薬用効果が書かれています。
つまり、「薬草でありながら毒草でもある」ということで、上記の植物のような特に毒性の強いものはページを分けて記されています。

面白いことに、テンナンショウとよく似た姿をしている「カラスビシャク」は、干した塊茎(地下部分に出来る球茎)は「半夏(ハンゲ)」と呼ばれる生薬になり、嘔吐、つわり、胃腸炎の改善などに有効と書かれていて、こちらは薬草のページに分類されていました。
 我が家のカラスビシャク
12~13年ほど前、石川県のお友達Oさんから頂きました。
「路地に直植えすると、とてつもなく増えて困るから、鉢植えが良いですよ」と教わったので、鉢に植えていますが、毎年ムカゴが落ちて、春になると芽が伸びてきます。
 カラスビシャクの花。5月になって咲きました。
このような形のものは仏炎苞(ブツエンポウ)と呼ばれ、サトイモ科の特徴です。水芭蕉、ザゼンソウなどを見ると、おんなじ科だ!と判ります。
カラスビシャクの葉。
小さな対になった2枚の葉とその真中に大きな葉の計3枚が集まって着いています。
この葉っぱ、眺めているだけでも可愛いです。

テンナンショウは強い毒性があるのに、似たようなカラスビシャクには毒性が無いのか???と思って調べてみたところ、ウィキペディアによりますと、塊茎は「乾燥させず生の状態では、シュウ酸カルシウムを含んでおり食用は不可能。」となっていました。
シュウ酸カルシウムのウィキペディアでの説明はこちら。

このシュウ酸カルシウムって、以前、何故里芋などを触ると手が痒くなるのかを調べた事があって、その原因がシュウ酸カルシウムの結晶の形が原因だったと知った事がありました。
シュウ酸カルシウムの結晶は針状になっていて、里芋やカラーなどを触ると痒くなるのは、針状の結晶が皮膚に刺さるからだとか。
ウィキペディアによると、パイナップルを食べた時に口や口の周りが荒れるのも、このシュウ酸カルシウムの針状結晶が原因みたいです。

つまり、薬草は毒草でもあり、毒草は薬草でもある。
・・・と書くとちょっと怖く感じるかもしれませんが、植物には何らかの薬効がある反面、なんらかの毒があるもので、それが多量に含むか少量かで、薬草だとか毒草だとかと人間が勝手に分類しているだけなんだなと思いました。当の植物達は、そんな風に分類されているなんて全く関係無いことなんですから。。

食べ方や用法を守り、勝手に触れたり口に含んだりせず、きちんと調べてから取り扱ったほうが良いですよね。
先月書いた「薬草の庭と茶花の庭」に出てきたスギナについてもカラスビシャクと同じように、薬草だからといって、大量に使用するのは良くないでしょうし、お野菜にしても、果物にしても、安心だからといって大量に食べるのはやっぱり良くないですよね。。。。。適量が一番。

2 件のコメント:

ふらう さんのコメント...

オダマキの花、キレイですねぇ。
薄めの紫とくっきりした白が爽やかな色合いで素敵です♪

子供の頃、薬草図鑑を見て辺の草花は全部薬草だったのに驚いたことがあります(ひどい喘息だったので・・・)意外と必要なものって身近にあるんですね~。

Faun さんのコメント...

ふらうさん、コメントいつも有難うございます♪

私も同じです!
以前ハーブの図鑑を見て、え?この雑草ってハーブなの?この草に薬効があったの?と目から鱗でした~@@
(私なんて大人になるまで知らなかったんですよ・笑)

ホント、ホント!
実は身近なもので、必要なものってあるんですよね^^
なんだか、ふらうさんのコメントで癒されました。