10.23.2014

茶道具をつくる--水差し

今年も茶道具をつくりました。
お茶の先生が華道の生徒さんと合同で、毎年夏、福井県あわら市金津にある「創作の森」の陶芸家、大森先生の陶芸教室へ参加させて下さいます。
教室では何をつくっても自由なのですが、やはり華道の生徒さんは花器を作り、茶道の生徒さんは茶道具を、と、それぞれ自分が使うお道具をつくる方が多いです。
私は大森先生に教わりながら、毎年一つずつ自分の茶道具をつくっていこうと決めています。

昨年も参加して、建水(けんすい)と蓋置(ふたおき)をつくりました。
今年は水指(みずさし)をつくりました。
昨年つくったお道具と色を合わせ、お揃いのようにしてみました。
今年つくった水指
銘: 老竹

水指は、昨年同様「越前焼風」にしました。
この土は焼きあがると、とても軽くなります。
それと昨年作った蓋置も「古竹」をイメージしてつくったので、水指も最初から「竹」を表したものをと思い、「老竹」と名づけました。
つくってみると、真っ直ぐ上へと伸びる竹と節の表し方は意外に難しかったです。
そして、幾種類ものお道具をたくさん持てない私にとって、なるべく一年中使えて且つ四季を楽しめる水指が良いなと思っていましたら、大森先生が釉薬でその四季の変化を表して下さいました。

春と夏の面
春と夏は、優しい表情をしています。正面には笹の葉がツンと上を向いて若々しく見えます。
上からみたところ
実はこの蓋の「持ち手部分」は華道の生徒さんが手伝って下さいました。
私がなかなか持ち手のアイデアが湧かず、どうしたものかと考えていたところ、
「こんな感じのはどう?」
と試作して下さったのです。
竹の節のように中央を凹ませる事ばかり考えていた私にとって、逆に丸く出っ張った物は真逆の発想でしたが、これはこれで面白いかなと思い、この日の思い出にとそのまま取り付けました。
出来上がった蓋をつまんでみると、この出っ張りが滑り止めの効果になって、しっかりと持てるような気がします。

秋の面
節の部分を水面に見立て、そこにお月様が写っている「観月」のイメージです。
節より上部は、川の流れや川辺を思わせます。

蓋も「春夏」面の裏側を正面にしてみました。
表情が変わって、どちらを正面にしても面白いと思います。

冬の面
荒々しい雰囲気が出ていて、こちらは冬の寒さや厳しさをイメージさせます。

昨年作った建水、蓋置と一緒に並べてみました。
少しずつ自分のお道具が揃っていくのは、とても楽しみです。
少し歪だったりしますが、そこは愛嬌で。。。(笑)
そしてお教室に参加して先生や他の皆様との交流を思い出しながらつかっていく、たった一つの思い出の品ということで、愛着もひとしおです。
自分の茶道具を自分でつくれる機会を持たせて戴けたことに感謝します。
大切に使っていこうと思います。
有難うございました。

さぁ、今後は何をつくろうかな・・・今から考えてもワクワクします。
茶巾筒も良いなと思いますし、そうそう! いずれ茶杓も削ってみたいです。
焦らずじっくりと揃えていきたいなと思います。

0 件のコメント: