10.16.2010

島暮らしの記録 トーヴェ・ヤンソン Anteckningar från en ö

Anteckningar från en ö by TOVE JANSSON

ムーミンの著者で有名な、トーヴェ・ヤンソンが、フィンランド湾の島-クルーヴハル(Klovharu-万力島-ハルは島の意だそう)で、トーヴェの彼女のトゥーリッキ・ピエティラやトーヴェの母ハム、猫のプシプシーナと暮らした記録の本です。
トーヴェ・ヤンソンのファンは、ムーミンも好きだけれど、晩年に書かれた大人向けの小説も好きな方が多いようで、私もその一人です。

この本は記録なので、物語のように起承転結があるわけでも無く、ただ淡々と、そのクルーヴ島で小屋を建てるところから始まり、途中途中の出来事を、日記のようだったり、メモ書きのようだったりとした形式で綴られています。 記録なのに、何故かこの本は好きで、読んだ後スキッとするというか。。 この本に限らずトーヴェの本全般に感じることは、ネチネチさが無くスッキリとしていて、まるで寒い日の朝の透明な空気に似たような気持ちになるんです。
表裏表紙。クルーヴハル。
トーヴェ達が住んでいた小屋や、島の一部の写真。

表紙2(おもて表紙裏側)
トーヴェの母ハムが描いたクルーヴハルの地図
とっても繊細で美しいです。

この本、祖父江慎の装丁ということもあって、それが話題になることもあるのですが、他にも、おもて表紙の裏側(表紙2)には、トーヴェの母-ハムが描いたクルーヴハルのイラスト地図が見開きで観れたり、本のところどころに描かれている挿絵はトゥーリッキによるものだったりと、ファンにとってはたまらない一冊でもあります。
とにかく、電気も水道も無く、まわりは海。食料といえば、自分達で獲った魚や、ジャガイモや、キャベツのスープ、コーヒー。とても不便そうに見えるのですが、でも彼女達にその時必要なものは、そこに十分あったのだろうと思いました。 この本からは、彼女達の満ち足りた気持ちが感じとれます。
kaikki tehdään itse!

トーヴェ・ヤンソンコレクション(ムーミンが出版された後に書かれた小説)の中の一冊に、「フェア・プレイ」というタイトルの本があるのですが、その小説は、この島暮らしの記録を物語のようにした話だとか。。。 トーヴェ・ヤンソンコレクションは数年前から集めて読み始めているのですが、このフェア・プレイは既に絶版らしく未だ購入できずにいるのです。(見つかるのはかなり高額なプレミアム価格ものばかりで。。。) 
時々何故か無性にトーヴェ・ヤンソンの本が読みたくなる時があります。、このフェア・プレイもいつか読みたいなと思っています。日本語の翻訳版が無理なら、英語版のでもいいから探そうかなと思っているところです。
その他。トーヴェ・ヤンソンの本や、トーヴェのイラスト。
(ムーミンが絡んでいないもの)
上段が「トーヴェ・ヤンソン コレクション。
全部で8冊出版されているうちの3冊を現在所有。
下段右はトーヴェが挿絵を描いている不思議の国のアリス。

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